02.財産が少なければ遺言は必要ないか?

 「うちには財産がないから、遺言書なんて必要ない」
 こう考えている方も多いと思われますが、下の表をご覧ください。

[ 遺産分割事件の財産額(平成25年度)]

総数1000万円以下5000万円以下1億円以下5億円以下5億円超算定不能・不詳
8,9512,8943,8271,07655751546
100%32.3%42.8%12.0%6.2%0.6%6.1%

 この表は、平成25年度の遺産分割事件、つまり相続で争いになったケースの財産額をまとめたものですが、これによると財産額が1000万円以下での事件が約30%を占めています。5000万円以下では実に75%です。

 一般的には、財産が多い方が相続で揉めやすいというイメージがあるかもしれませんが、実際はそうでもないことが分かります。
 これは、資産が多い人ほど、税理士や信託銀行などと付き合いがあり、相続対策もしっかり立てている場合が多いからだと思われます。また、資産の種類も豊富なので「この人は不動産、あの人は有価証券、他の人は金融資産」というように、柔軟な分割が可能になります。

 これに比べると、例えば財産の内訳が自宅不動産と老後資金の余りというような場合などのような、遺産が比較的少額の方が相続人同士が揉めやすい、というのが実情です。
 これは、自宅不動産をもらう相続人とその他の相続人とで差が生じるので、金銭で埋め合わせようとしても、金融資産が少ないので難しいですし、かといって、自宅を売却するのは、現に住んでいる人がいる場合、現実的でないからです。
 このような結果、遺産分割協議がまとまらず、家庭裁判所に遺産分割の調停または審判の申立てをするケースが多いのです。

 対策としては、遺言で自分の意思を相続人に示しておくことで、完全にではないにせよ、このような事態を防げる場合もあります。


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